⚠️ ご注意ください
この記事の内容は、公開情報に基づく一般的な健康情報であり、診断・治療の代わりとなるものではありません。数値だけで自己判断せず、健康診断の結果はなるべく医師に相談してください。食事の見直しは、あくまで生活習慣改善の一部として取り組みましょう。
この記事の内容は、公開情報に基づく一般的な健康情報であり、診断・治療の代わりとなるものではありません。数値だけで自己判断せず、健康診断の結果はなるべく医師に相談してください。食事の見直しは、あくまで生活習慣改善の一部として取り組みましょう。
健康診断の結果を見て、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)と中性脂肪(トリグリセライド)の両方の項目に「基準値オーバー」のマーク、あるいは「要経過観察」「要精密検査」の判定がついていて、驚いた経験はありませんか?
「油っこいものを少し控えた方がいいのかな」と何となく思っていても、具体的に何から始めればよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
LDLコレステロールと中性脂肪が同時に高い状態は、血管の健康にとって見過ごせないサインです。
この記事では、なぜ2つの数値が同時に高くなってしまうのか、LDLコレステロールと中性脂肪の役割の違い、そして健康診断の結果を受けた後にご自宅でできる具体的な食事や生活習慣の改善ステップについて、詳しく解説します。
毎日の習慣を少しずつ見直し、健やかな体づくりをサポートするためのヒントにしてください。
健康診断の数値の正しい読み方と基準値
まずは、ご自身の健康診断結果をお手元に用意し、各数値がどの程度基準値を上回っているかを確認してみましょう。
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、脂質異常症の診断基準として以下の数値が定められています。
| 検査項目 | 基準値(空腹時) | 異常値の目安 | 脂質異常症のタイプ |
|---|---|---|---|
| LDLコレステロール | 120mg/dL未満(※1) | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| 中性脂肪(トリグリセライド) | 150mg/dL未満 | 150mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL以上 | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| Non-HDLコレステロール | 150mg/dL未満 | 170mg/dL以上 | 高Non-HDLコレステロール血症 |
※1:120〜139mg/dLは「境界域高LDLコレステロール血症」と呼ばれ、糖尿病や高血圧、喫煙などの他のリスクがある場合は治療の対象となることがあります。
LDLコレステロールと中性脂肪の両方が150mg/dL、140mg/dLを超えている場合、複合型の脂質異常症を引き起こしている可能性があります。
特に、中性脂肪が高いと善玉と呼ばれるHDLコレステロールが減少しやすくなり、悪玉であるLDLコレステロールがより血管の壁に入り込みやすい「LDLの質的変化にも関係することがありますコレステロール(小型化LDL)」に変化しやすくなるため、より一層の注意が必要です。
詳しくはLDLコレステロールの基礎知識も併せてご参照ください。
自己判断は禁物!医師の診察を受けるべきケース
健康診断で異常を指摘された場合、食事だけで何とかしようと放置するのは危険な場合があります。
以下のようなケースに当てはまる場合は、まずは医療機関(内科や循環器内科)を受診し、医師の指導を仰ぎましょう。
- 中性脂肪が極端に高い(目安として400mg/dL以上、特に500mg/dL以上):急性膵炎という将来的な健康リスクにつながる病気のリスクが高まります。
- LDLコレステロールが180mg/dL以上ある:家族性高コレステロール血症などの遺伝的要因が疑われる場合があります。
- すでに高血圧や糖尿病などの持病がある:他の生活習慣病が合併していると、動脈硬化のリスクが跳ね上がります。
- 胸の痛みや圧迫感、息切れなどの自覚症状がある:すでに心臓や血管に負担がかかっている可能性があります。
- 家族に心筋梗塞や脳卒中を起こした人がいる:遺伝的なリスクを考慮した専門的な管理が推奨されます。
「まだ若いから」「痛くも痒くもないから」と自己判断せず、まずは医師による正確な診断を受けることが、健康管理の正しいスタートラインです。
LDLコレステロールと中性脂肪の違いとは?
血液中の脂質が高いと言っても、LDLコレステロールと中性脂肪では体の中での役割が異なります。
それぞれの特徴を正しく理解することが、対策の第一歩です。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の役割
コレステロールは、細胞の膜やホルモン、胆汁酸を作るための欠かせない材料です。
そのコレステロールを肝臓から全身の細胞へと運ぶ役割を担っているのが「LDLコレステロール」です。
必要な分だけ運ばれていれば取り入れやすい場合がありますが、血液中に多すぎると、血管の壁に入り込んで蓄積し、プラーク(こぶ)を形成して血管を狭くしたり硬くしたりする原因になります。
そのため「悪玉」と呼ばれています。
中性脂肪(トリグリセライド)の役割
中性脂肪は、体を動かすための「エネルギー源」として利用されます。
食事から摂取した脂質や糖質がエネルギーとして使われずに余ると、中性脂肪として肝臓や皮下脂肪、内臓脂肪に蓄えられます。
つまり、中性脂肪が高い状態は「エネルギーの摂りすぎ(カロリーオーバー)」を意味しています。
中性脂肪自体が直接血管の壁に入り込むわけではありませんが、増えすぎると善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールをより悪質なものに変化させてしまうという厄介な性質があります。
なぜLDLと中性脂肪は「同時に」高くなりやすいのか?
では、なぜこの2つの数値が健康診断で一緒に引っかかってしまうのでしょうか。
それは、現代の食生活や生活習慣に大きな要因があります。
1. 糖質と脂質の「ダブル摂取」
ファストフード、ラーメンとチャーハン、ケーキやスナック菓子など、現代人が好む食事の多くは「脂質(特に動物性の油)」と「糖質」がたっぷり含まれています。
脂質の摂りすぎはLDLコレステロールを上げ、糖質の摂りすぎは中性脂肪を上げます。
こうした食事を日常的に好んでいると、当然ながら両方の数値が上がってしまいます。
2. 内臓脂肪の蓄積とインスリン抵抗性
食べすぎや運動不足によってお腹周りに内臓脂肪がたまると、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の効きが悪くなる「インスリン抵抗性」という状態に陥りやすくなります。
インスリンの働きが鈍ると、肝臓での中性脂肪の合成が過剰になり、同時にLDLコレステロールの代謝も悪化するため、結果として両方の数値が上昇しやすくなります。
3. 加齢やホルモンバランスの変化
特に女性の場合、更年期を迎えて女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少すると、脂質の代謝が大きく変化します。
これまで標準値だった方でも、50歳前後を境にLDLコレステロールと中性脂肪が急激に上昇しやすくなる傾向があります。
隠れたリスク指標「LH比(LDL/HDL比)」に注目しよう
健康診断の結果を見る際、LDLや中性脂肪の単独の数値だけでなく、「LH比」という指標も計算してみることをおすすめします。
LH比とは、LDLコレステロールの数値をHDL(善玉)コレステロールの数値で割った値のことです。
【LH比の計算式】
LH比 = LDLコレステロール ÷ HDLコレステロール(例:LDLが150、HDLが50の場合、150÷50=3.0)
LH比は、血管内のコレステロールの蓄積と回収のバランスを示しており、動脈硬化のリスクを測る上で比較的有用な指標とされています。
- 1.5以下:血管内がきれいで健康な状態の目安
- 2.0以上:コレステロールの蓄積が進んでいる可能性があり、注意が必要
- 2.5以上:動脈硬化のリスクがかなり高く、血栓ができやすい注意が必要な状態の目安
中性脂肪が高い人はHDLコレステロールが低くなりやすい傾向があるため、必然的にLH比も悪化(上昇)しがちです。
ご自身の数値で一度計算し、リスクの大きさを把握しておきましょう。
自宅で実践!食事と生活習慣の見直しポイント
LDLコレステロールと中性脂肪の両方が高い場合、食事では「動物性脂質」と「糖質・アルコール」の両方に対するアプローチが必要です。
1. 「飽和脂肪酸」と「糖質」の違いを意識する
【LDLコレステロールが気になる人が意識したいには:飽和脂肪酸を減らす】
飽和脂肪酸は主に常温で固まる動物性の油です。
肉の脂身(バラ肉、ひき肉、鶏肉の皮)、バター、生クリーム、チーズ、そしてカレールーや洋菓子に多く含まれます。
飽和脂肪酸が多い食品を控え、たんぱく質源を魚や大豆製品(豆腐、納豆など)、脂身の少ない赤身肉や鶏むね肉に置き換えることが推奨されます。
特に青魚に含まれるEPAやDHAは中性脂肪を下げる働きもあるため、一石二鳥の食材です。
【中性脂肪を下げるには:糖質を控える】
中性脂肪の主な原料は、実は油だけでなく「糖質」です。
ご飯やパン、麺類などの炭水化物の大盛りを避け、腹八分目を心がけましょう。
また、吸収の早い糖質である砂糖(お菓子類、ケーキ)や、果糖ブドウ糖液糖を含む甘いジュース、スポーツドリンクの常飲は中性脂肪を急上昇させるため、水分補給はお茶や水に切り替えるのが役立つことがあります。
2. アルコールの制限(休肝日を設ける)
お酒を飲むと、アルコールが肝臓で分解される過程で中性脂肪の合成が強く促進されます。
特に中性脂肪が高い方は、アルコールの影響をダイレクトに受けやすいため注意が必要です。
完全に禁酒するのがバランスがとりやすいですですが、難しい場合は「適量」を守ることが大切です。
1日の適量は、ビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度が目安です。
また、肝臓を休ませるために週に2〜3日はお酒を全く飲まない「休肝日」をなるべく設けましょう。
3. 食物繊維を味方につける
野菜、きのこ、海藻、こんにゃく、オートミールなどに多く含まれる食物繊維、特に「水溶性食物繊維」は、腸内で余分なコレステロールや糖分を吸着し、体外へ排出するのを助ける働きがあります。
食事の際は、まず野菜や海藻の小鉢から食べる「ベジファースト」を心がけることで、食後の血糖値や中性脂肪の急激な上昇を穏やかにすることができます。
1日350gの野菜摂取を目標にし、毎食小鉢1皿分以上の野菜を取り入れるよう意識してみてください。
4. 日常生活に有酸素運動を取り入れる
食事だけでなく、運動も数値改善には比較的重要です。
特に中性脂肪は「エネルギーの余り」であるため、体を動かして消費することで比較的早く数値が下がりやすいという嬉しい特徴があります。
激しい筋トレよりも、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの「有酸素運動」が役立つことがあります。
1日20〜30分、週に3回以上を目標に、少し息が弾む程度のペースで行うと良いでしょう。
まとまった時間が取れない場合は、通勤時に一駅分歩く、エスカレーターではなく階段を積極的に使う、食後に軽い散歩をするなどの工夫でも十分な効果が期待できます。
有酸素運動は善玉コレステロール(HDL)を増やす効果もあるため、LH比の改善にも繋がります。
食事記録を始めて「自分のクセ」を見える化しよう
「気をつけているつもりなのに数値が下がらない」「何が原因かわからない」という方は、無意識のうちにカロリーや脂質、糖質を摂りすぎている可能性があります。
そんな時におすすめなのが「食事記録(レコーディング)」です。
食事記録のメリット
毎日食べたものを記録することで、「意外とおやつにクッキーをつまんでいた」「夜遅くの夕食で炭水化物が多かった」「野菜が全く足りていなかった」など、自分自身の食生活の客観的な課題(クセ)に気づくことができます。
数値が高い原因が分かれば、的確な対策も立てやすくなります。
継続するためのコツ
最初は「朝:トーストとコーヒー、昼:ラーメン」のように、簡単なメモからで構いません。
細かくカロリーを計算しようとすると挫折しやすいため、まずは「食べたものをそのまま書く・写真を撮る」ことだけに集中しましょう。
最近では、スマートフォンのアプリを使って簡単に食事記録ができるツールも充実しています。
ご自身の負担にならない方法を見つけて、まずは1週間続けてみることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. なぜLDLコレステロールと中性脂肪の両方が高くなるのですか?
A. 脂っこい食事(飽和脂肪酸)と、甘いものやお酒・炭水化物(糖質)の両方を摂りすぎていることや、運動不足、肥満などが重なることが主な原因です。また、内臓脂肪型肥満がインスリン抵抗性を引き起こし、両方の数値を悪化させることもあります。
Q. LDLと中性脂肪、どちらを先に下げるべきですか?
A. 基本的には両方の見直しを始めますが、動脈硬化の影響する要因のひとつとなるLDLコレステロールの管理が比較的重要です。ただし、中性脂肪が極端に高い場合は急性膵炎のリスクもあるため、医師の指示に従ってください。
Q. 食事では何から見直せばよいですか?
A. まずは「揚げ物やバラ肉などの動物性脂質」と「菓子パンや甘いジュースなどの糖質」を控えることから始めましょう。また、海藻やきのこなどの食物繊維を積極的に摂ることも大切です。
Q. お酒は完全にやめなければなりませんか?
A. 完全にやめる必要はありませんが、アルコールは肝臓で中性脂肪の合成を促進するため、適量に抑えることが推奨されます。週に数回の休肝日を設け、飲みすぎには注意しましょう。
Q. 運動は効果がありますか?
A. はい、特に中性脂肪は運動によるエネルギー消費で下がりやすいため、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることが役立つことがあります。運動は善玉コレステロール(HDL)を増やすことにも役立ちます。
まとめ
LDLコレステロールと中性脂肪の両方が高い健康診断の結果は、これまでの生活習慣を見直すための大切なサインです。
放置せず、まずは適切な対応を取りましょう。
- LDLコレステロール対策:肉の脂身やバターなどの「飽和脂肪酸」を控え、大豆製品や魚を増やす。
- 中性脂肪対策:お菓子、甘い飲み物、お酒などの「糖質・アルコール」を控え、腹八分目を心がける。
- 共通の対策:食物繊維をたっぷり摂り、日常的にウォーキングなどの有酸素運動を取り入れる。
まずは、毎日の食事記録をつけて、ご自身の食生活の傾向を把握することからスタートしてみましょう。
無理なく続けられる小さな改善の積み重ねが、将来の健康な体づくりにつながります。
コレステAIでは、毎日の食事を記録しながら、脂質や食事バランスの目安を確認できます。健康診断後の食生活を見直すきっかけとして活用できます。
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免責事項・注意事項
本記事で提供される情報は、一般的な健康情報の提供を目的としており、医師による診断や治療を代替するものではありません。
コレステロール値の異常や体調に不安がある場合は、自己判断せず、必ず医療機関(内科や循環器内科など)を受診し、専門医のアドバイスに従ってください。また、現在治療中の方や服薬中の方は、食事や運動の変更について事前に担当医にご相談ください。




